人工授精の妊娠率は10ー20 %程度

人工授精で妊娠する確率は10-20%程度と、さほど高くない。

また、この妊娠率は1回あたりではなく、累積妊娠率といって何回か人工授精をして、結果として妊娠に至った割合であり、1回の対策で10~20%が妊娠するのではない。

この対策を続けるとしたら、一般的には5回くらいが目安とされている。

というのは,人工授精で妊娠した人は5回目まででその多くが妊娠しており、それ以上回数を重ねても妊娠率は向上しないからだ。

また、女性は加齢によって妊娠しにくくなり、男性も35歳以降は巷で良い口コミのヴィトックスαでも飲まないと精子の機能が低下する。

それも踏まえて、対策を次の段階にステップアップすることも考えたほうがいいだろう。

漫然と同じ対策を続けて時間を無駄にすることだけはないように気をつけたい。

また、凍結した精子を用いて人工授精をする施設もあるようだが、もともとの精子機能がよい場合(精液検査で問題がない場合)は可能であるが、精子機能に問題があることが多いOAT症候群の男性不妊患者にとっては、これは意味がないことである。

精子を凍結·融解すると、精子の頭部(アクロソーム)にある膜が連§れてしまうのだが、この部分は受精に必要な大事な機能を持つ。

卵子を覆う透明帯という部分にアタックするときに必要な酵素を有しているのだ。

つまり、この膜が壊れてしまうと酵素が卵子への侵入ができず、受精できなくなるOAT症候群の精子の膜は、凍結·融解に弱いのだ。

とくに、もともと精液所見のよくない男性不妊の場合は、凍結精子ではなく、新鮮精子(凍結しない精子)で人工授精をするべきである。

「精子の数が少ないので凍結してストックしておき、2〜3回ためてから人工授精しましょう」などというのは、単なる数字合わせであり,まったく意味がない。

結果、妊娠に至らず、患者さんの心を傷つけることになる。