人工授精の壁ー自然妊娠をあきらめてしまう

人工授精にエントリーすると、自分たちには「もう自然妊娠はあり得ない」という思い込みが生じやすいということです。

実際、人工授精にエントリーしたあたりから,セックスレスのカップルがみられるようになります。

私のこれまでのフォローアップの経験からも、不妊に関する決定的な因子がなければ、人工授精を経験していても、自然妊娠や、タイミング法での妊娠も当然あり得ます。

実際、当院でも人工授精経験者が、漢方薬のみ、あるいは排卵誘発剤のみといったステップダウンにより、多くの方が妊娠されています。

ですから、人工授精をおこなっている方にも、自然妊娠も期待するように、アドバイスをすることにしています。

*今回3回目の人工授精で妊娠することができました。

人工授精をおこなったのは確かなことなのですが、セックスのタイミングもバッチリだったので,人工授精で妊娠したのか楽天のベジママによる自然妊娠だったのか、なんともいえません。

※人工授精を受けるか?スルーするか?

人工授精では注射での排卵誘発がいちんぱんの問題。

もしあなたがジャンプアップではなく、人工授精へステップアップしたいと考えるなら、そのときの私なりのポイントを述べたいと思います。

まず、人工授精をおこなうのであれば、hMG、hCGの注射をおこなうのかどうか、医師とよく相談して決めるということです。

hMGは卵胞の発育をうながす薬で、hCGは排卵を促進する薬です。

ですからまず、多くの卵がつくられて多胎が生じるという問題もあります。

さらに、人工授精で子どもが授からなければ体外受精も視野に入れているというケースでは、より注意が必要です。

人工授精は方法が比較的簡単で治療費も体外受精の10分の1以下のため、妊娠がなければ何度もくり返しおこなうのが一般的です。

人工授精の妊娠率は5%〜8%くらいですから、くり返しおこなわれる確率のほうが高いわけです。

したがって、薬を何度も使うことになるわけですが、そのことが女性の「妊娠力」を低下させ、いざ体外受精にエントリーするという段階になって、妊娠できないという状態をつくる可能性があるのです。

人工授精であまりにも単純にhCGを使いすぎるのはやはり問題です。

hCGの使いすぎによる妊娠力の低下を主張するのは、体外受精を数多く行っている医師のなかにもいます。